Tiffany
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大事な本番はもちろん、レッスンやリハ、長時間のワークショップ…万全の体調で臨むためには<食生活>にも気を使いたいもの。そこで管理栄養士の国家資格を持つTiffany(ティファニー)に、忙しい生活のなかでも「続けやすい」、ベリーダンサーのための食事管理のコツを教えてもらいました!
●朝昼晩×バランスの取れた食事が理想、ではあるけれど…
―現在はベリーダンサーとして活動しながら、平日は<管理栄養士>として、中高年の方へ向けた生活習慣病の栄養指導を行っています。
―タンパク質やビタミンといった栄養素は、健康な身体を作り美しく踊り続ける上では欠かせない栄養素。でも一気に摂りすぎても身体が吸収できる量には限りがあるので、基本的には、朝・昼・晩の食事のなかでこまめに補給することが大切です。
ただ、仕事にご家庭にベリーダンスのレッスンに…忙しい毎日のなかでバランスの取れた食事を3食準備するってなかなか難しいですよね。今回は、ダンサーの皆さんが<続けやすい>ような食事アドバイスを考えたので、気軽にライフスタイルに取り入れていただけたら嬉しいです♪
●レッスン前やWSの合間のエネルギー補給なら…
―身体を動かす前に必要なのは
<炭水化物+タンパク質>!
長時間身体を動かすなかで振付を覚えたり、先生の動きをしっかり目に焼き付けたりためには集中力も欠かせません。ダイエット中の方も、運動前はエネルギーをしっかり摂っておきましょう。
レッスン前のエネルギー補給に
おススメなのは、
・ラムネ
・ゼリー飲料
・ヨーグルト
・鮭やたらこのおにぎりetc.
どれもコンビニで買えますし、短時間でさっと食べられます。その後すぐに踊っても、ベリーダンスの動きに影響しにくいですよ。
―私は毎週末レストランショーで1回30分近く踊りますが、ショー前の楽屋ではいつも<ラムネ>をつまんでいます。
ラムネというと子供の頃に食べたお菓子というイメージが強いですが、主な成分はブドウ糖=すぐ脳に栄養を与えたいときの<即戦力>!
お客さんの様子に気を配ったり、音楽に対して即興で身体を反応させたり…レストランショーでは全方位への気配りが必要ですし、胃が膨れたりしないので至近距離で踊るときも安心。何より変にもたれたりしないから、ショー後の賄いまで美味しくいただけるところが気に入っています。
●平日夜レッスン後でヘトヘト!一刻も早く眠りたい時には…
―そんな時は消化がよくて
野菜のたっぷり入った具だくさんスープ一択!
私自身、ダンサーとして活動するようになってからも平日は仕事で忙しく、残業は月20時間以上。早く帰れる日はスタジオを借りて自主練していたので、結局毎日の帰宅は22時すぎでした。翌朝は7時には起きなければいけないことを考えると、お風呂に入った後は一刻も早く眠りたくて…
疲労度MAXの時は野菜を刻んだり煮込んだりと頑張る余力なんてないので、コンビニで売っている<野菜スープ>にお湯を入れたりレンチンするだけで大丈夫。スープだけだと「少し物足りない」という時は、タンパク質たっぷりの<豆腐>を副菜として取り入れていました。
温かいものを食べると胃腸も落ち着くし、眠りにもつきやすくなります。豆腐の上に納豆やツナ缶を乗せればさらにタンパク質UP! すべて買い置きできる食材なので、余裕あるときに買い足しておくと安心ですよ。
―たくさん汗をかいた後の白米やビールは美味しく感じると思いますが、「後は寝るだけ」という時に余分な糖質は必要ありません。それどころか余ったエネルギーは寝ている間に皮下脂肪や内臓脂肪に変わりやすい! とくに生活習慣病やお腹のお肉が気になる方は「もう少し食べたいな」くらいで止めておき、その分早起きして朝ごはんをきちんと食べたほうが健康のためにはイイと思います。
●ダイエット中でも大丈夫!?羊肉やオリーブオイルを使った中東料理
―<油>というと「カロリーが高い」「脂肪になりやすい」というイメージが強いですが、身体に良い働きをする油も多くあります。
たとえば
●魚油、エゴマ油 <オメガ3>
●オリーブオイル <オメガ9>
↓
悪玉コレステロールを下げたり、便秘を改善したりする効果あり
●MCTオイル
↓
身体にすばやく消化・吸収されるため、
運動量の多いダンサーが効率よくエネルギーを摂る手段として有効
また<肉類>に含まれる油は
飽和脂肪酸が多く含まれており
身体に蓄積されやすいのですが、
●ラム肉
●赤身の肉
は低カロリーなうえ、
脂肪燃焼効果のあるL-カルニチンが多く含まれています。
トルコ料理やペルシャ料理、レバノン料理など、ベリーダンスショーが行われるレストランには<羊肉>や<オリーブオイル>を使った料理があるのでぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
●少なくとも三か月以上!ダイエットは長期計画で
―ダンサ―として、
何より大切にしたいのは、
本番で十分なパフォーマンスを発揮すること!
「発表会までに痩せたい」「衣装を着たときにスタイルよく見せたい」という方も多いと思いますが、本番直前の「食べない」ダイエットは絶対におススメできません。まず体力や集中力が落ちて、肝心の<踊り>に影響してしまったら元も子もありません。そもそも短期のダイエットは結局リバウンドしがち。ダイエットは三か月以上の長期計画で&<習慣>や<体質>から改善していく努力が必要です。
具体的には…
●量増し食材(こんにゃくやキャベツ、きのこなど)を使って食べごたえ&満足感UP
●主菜を脂肪分の少ない食材(豆腐、納豆、ササミ、鶏胸肉など)に変更
etc.
タンパク質が不足すると筋肉が落ちたり肌や髪のツヤが悪くなったり…「キレイ」にも影響してしまうので、ダイエット中も主菜はしっかり摂りましょう。
大豆製品にはタンパク質に加えて、女性ホルモンを活性化させる大豆イソフラボンが多く含まれており、女性にはいいことづくめ。自炊する余裕のない方は、運動後30分以内…レッスン後の更衣室や電車のなかでプロテインのゼリー飲料を摂るようにすると、動いて失われたタンパク質を効率よく補充できます。
ー私もベリーダンスをはじめたら少し体重が落ちました。何より数字以上に身体全体が程よく締まったという実感があります。
ベリーダンスのレッスン×食事記録アプリを使ったパーソナルな栄養指導を組み合わせたら、ベリーダンスでキレイになれる人をもっともっと増やせるはず! 管理栄養士でありダンサーでもある私にしかできないこの目標、いつか必ず実現させたいですね。