Chihoko
https://chihoko-bellydance.amebaownd.com/
Emmie
https://www.instagram.com/emmiebellydance/
MARII
https://www.instagram.com/marii_tokyo
ものすごいスピードで発展し、私たちの仕事や生活に浸透している<AI>。水に潜ってマーメイドに変身したりフィギュア化したり…SNSで不思議な動画を目にしてビックリしたことある人も多いのでは? 後編はプログラム、告知動画、衣装デザイン――そんな踊りの<外側>をAIで作りこむダンサーたちに注目! アイディア次第でこんなに広がる!? ベリーダンス×AIの2026年春・最新レポートをお届けします♪
●愛情たっぷり♪ プログラム用に出演者全員のイラストを生成
【Chihoko】
―ハフラは生徒さんひとり一人が主役!
これまで作ったプログラムもただ名前と演目だけではなく出演者自身にその曲への思いを語ってもらったりと試行錯誤を繰り返してきました。以前、遊び感覚である生徒さんにAIでイラストを作ったところ大変喜んでもらったことがあり、出演者26名のイメージイラストを入れたプログラムを作ることを思いつきました。

―イラストはChatGPTを使って作成。ハフラ=お祭りのような楽しいイベントなので、プログラムを見た人をワクワクさせたくて、イラストはアニメ調の可愛らしいタッチを選びました。
作り方としては、
まずこれまでのハフラや宣材写真を一つひとつ見返し、その人らしい雰囲気で輝いている写真をピックアップ。写真をアップロードして指示を出すと、2分くらいでイラストが生成されます。
ただ一回で理想の仕上がりになることはほぼなく、露出が多い衣装だとAIに「作成できません」と拒否されてしまったり、作っているうちにテイストが変わってきてしまって再度調整したり…一人あたり平均3回は作り直したので、プログラムが完成するには5日ほどかかりました(笑)。
でも頑張って作った甲斐あって、
お客さまからは大好評!
こっそり舞台袖から客席を覗いてみたところ、
「この衣装の人かな?」
とプログラムを見ながらイベントそのものを楽しんでいる様子が伺えて嬉しかったです。
生徒さんたちも
自分のイラストがプログラムに載るというのが少し<特別>な感じがあったようで、
「似てる」「可愛い」
「クリアファイル持ってくればよかった!」
と大はしゃぎ!
後でそれぞれのイラストを記念にデータでプレゼントしたところ、LINEのアイコンやSNSの投稿に使ってくれた生徒さんもいたようです。

―私自身は絵が得意というわけではなく、むしろ全く描けないタイプ。だからこそAIの力を借りて、生徒さんそれぞれの個性や魅力を形にできたことは楽しい作業でした。
またハフラには、さまざまなクラスから普段顔を会わせることがない生徒たちが集まります。「これ誰かな?」とクイズを出し合ったり、プログラムのイラストが会話のきっかけになったり…クラスを越えた交流に繋がるという<副産物>的効果が生まれたのも嬉しかったです!
●ダンスに興味ない人へ届け!スルーされがちな告知をもっと面白く♪
【Emmie】
―SNSでは定期的にショーの告知をしていますが、アーティスト写真や踊ってる動画を載せるだけでは「あぁまたか」「どうせ宣伝でしょ」と流されがちで、とくにベリーダンスにさほど興味ない人にはなかなか届かない! 面白いものであれば目を留めてもらえるかも…とAIで加工した画像や動画を使った告知にトライしています。

撮影(AI加工前):北田正明@masaaki_kitada
―画像はChatGPT、動画ならCapcutやBeauty plus…すべて無料アプリですが、TikTokやインスタで見かけた流行りのAI加工を自分でもやってみたり、新機能が出たら試してみたりと日頃からイロイロ遊んでいます。
2作目の<ゾンビ動画>は
自分がゾンビ系映画やドラマが好きなので
「私も追われたい♪」と思ってBeauty Plusで作ったもの。
10月のハロウィン時期に
ショー告知に使ってみたところ、
「わざわざ撮りにいったの?」
「表情すごい!演技上手いね笑」
と本物だと思った人からコメントがあったり、
「私もやってみたい」
「やってみた!」
とダンスをやっていない友人からメッセージが届いたりとフツーのショー告知とは少し違う反響(ツッコミ?)があったんですよ。
―実際、インスタのインサイトで閲覧者の割合をみると、
通常のダンス投稿では
・フォロワー60~70%
・フォロワー以外30〜40%
のところ、AI画像だと割合が逆転することが多い!
ザンネンながらまだ「集客効果絶大です!」とまではいかないものの、AI画像や動画をきっかけにダンスに興味を持った人からメッセージをいただいたり…ベリーダンスを知らない/興味ない人にも見てもらえたのかなと考えています。
―今は一枚の写真から自動で動画を作れるアプリを使っていますが、次は自分でイチから動画を作ってみたいです。憧れのゴールデンエラの映画に登場してみたり、大好きなFifiFifi Abdoと共演してマブハラ(香炉)を一緒に跨いだり、一緒にシーシャを吸って鼻から出したり(笑)…アイディアは尽きないし、いろいろと形にするのが楽しみです♪

●AIは表現手段の一つ!「こんな衣装が欲しい」アイディアを形にしてみた
【MARII】
―2025年夏に流行した人魚に変身するアプリを目にして、AIに興味を持ちました。もともと専門学校でグラフィックデザイン/アートを学んでいたこともあり、私にとってAIは<表現手段>の一つ。とくに映画のワンシーンのようなファンタジックな映像を気軽に作れるところが面白くて、完成品というよりは、アイデアを広げるためのツールとして使っています。
―実験的に楽しみながらあれこれ作るなかで「こんな衣装があったら素敵だな」という<理想の衣装>を形にしてみることを思いつきました。
アイディアが浮かぶのはいつも深夜帯。
一日の仕事などが全て終わり、脳の空き容量が出てきてからがかなり活発な創作時間となります。
ライラックのオリエンタル衣装は、
自分で描いたイラストをベースに、
●Peacock柄
●ルビーの装飾
●ルビーのネックレス
●ストーンを散りばめた生地
●上品/高級感
●裾にレース/ラベンダー色
etc.具体的な言葉で10回くらいAIに指示を重ねて作りました。
―苦労したのが、ChatGPTで指示を重ねると気に入っている部分まで変わってきてしまうところ。Fotor(有料)というAIリプレイス機能のあるアプリを取り入れたところ、変更したいところのみを部分的に交換できるようになりました。

―モアシャハットの衣装については、一般的なオリエンタル/ベリーダンス衣装とは違い「どんなスタイルが主流か」etc.デザインの<型>をAIに学習させるのに少し時間がかかりましたね。
とくにふんわりした
「ベルスリーブ」が上手く生成できなくて…
●腕から手首まで覆うふわりとした長袖
●シフォンやジョーゼット生地
と言い換えた上でオーソドックスなモアシャ衣装の袖の写真をアップしたところ、ようやく思い通りの形になった記憶があります。

―AIを使えば頭の中にあるイメージがとても早くビジュアル化できるし、いろいろなパターンを試しながらイメージを膨らませることもできる。実際に制作しようとすると莫大なコストがかかるようなシチュエーションも、AIを利用することによってリスクを負わず試せるところが魅力です。
でもやはり自分でイラストを描いたりモノを作ったりするのとはまったくの別モノ。実際の<制作>には、「血」「息吹」「歪さのある美」といった生ならではの良さがあるし、時に色々なものを犠牲に身を捧げたり絶望感を味わったり…そんなプロセスも魅力のひとつだと感じます。
―残念ながらAIで作った衣装デザインを実際にオーダーしたことはないのですが…エジプトの衣装職人さんの反応は二つに分かれると予想しています。
1)面白いね、やってみよう!
2)これはちょっと現実的じゃないね
やっぱり…AIのデザインは装飾が多すぎる! 実際には重すぎて構造的に支えられない部分も多いはずと、自分でデザインしていても感じるほどです(笑)。
対し、経験豊富な衣装職人さんは
「踊りやすいかどうか」
「動いたときにどう見えるか」
といった視点でみて、
「ここは軽くしましょう」
「この部分はこう変えましょう」
といった修正が必ず加わるはず。
面白いねと言ってくれる職人さんでも100%イラスト通りに仕上がることはないと思いますが、言葉だけでは伝わりにくいイメージを共有するための<スタート地点>として。最後は人間同士で<生>のやり取りを交わしながら「雰囲気はそのまま、でも踊りやすい」衣装を一緒に作っていく…そんなプロセスもまた楽しそうで、面白い衣装アイディアが次々と浮かんできます♪














