Nisaa
https://www.instagram.com/nisaa_tokyo/
ベリーダンスをはじめたら「毎日が楽しい」「仕事のストレスや肩こりもすっきりした」という人も多いのでは? 今回はそんなベリーダンスのヘルスケア効果に着目し、『ベリーダンス体操』と名付けた高齢者向け健康プログラムの普及に取り組むNisaa(ニサァ)。事業をはじめたきっかけや気になるその反響を教えてもらいました!

●『ベリーダンス体操』はじめました!
―理学療法士・作業療法士監修のもと、ベリーダンスの動きや音楽を取り入れながら座位で行う『ベリーダンス体操』のプログラムを作成したのが2023年5月のこと。現在は8か所の老人ホームとシニアの施設を定期的に訪問しています。
―ベリーダンスは、ずっと私にとって<芸術>でした。
ところが3年前、突然歩けなくなって2ヶ月間の杖生活を余儀なくされたことがあり、<女性の一生>について深く考えるようになりました。そしてやはりベリーダンスは、「女性の心と身体に密着した動きが多い」と私自身、改めて腑に落ちました。それ以降は<ヘルスケア>という視点でもこの踊りを見つめるようになったんです。
その後、父の自宅介護も経験しました。
少しでも父の運動不足解消と気分転換になればと、ベリーダンスの<スネークアームス>や座ったままでもできる足の動きを一緒にやってみたところ、父がいつもより楽しそうに笑ってくれたのがすごく嬉しくて!
こうした出来事をきっかけに『ベリーダンス体操』を考案し、多くの方に知って&喜んでいただけるよう活動しています。
●座ったまま、お洒落してダンス!非日常の<刺激>を届けたい
ー基本のプログラムは45分~60分。
転倒防止のため
すべて座ったままで行います。
●ヘッドアクセサリー選び
↓
●準備運動
↓
●アームスの振付「クレオパトラ」に挑戦
↓(休憩)
●座位でステップに挑戦
↓(休憩)
●舌のトレーニング
●手先を動かす「ジル」に挑戦
↓(休憩)
●クイズタイム
●ミニベリーダンスショー
*参加者はジルで応援
●クイズの答え合わせ
↓
●お礼のご挨拶

―プログラム作成にあたっては、
理学療法士・作業療法士の方にベリーダンスをベースにした動きを見ていただき、<認知症予防>に効果のあるものを率先して取り入れました。
また<握力低下防止>のためにジルを叩いたり、<笑顔>の練習をしたり、聞き慣れないアラブのリズムで楽しく<脳トレ>をしたり…参加者の介護度や様子を見ながら、都度メニューをアレンジして行っています。その日の顔ぶれによって臨機応変な対応が必要なところは、レストランショーで踊る時と少し似ているかもしれませんね(笑)。

―参加者は毎回15~20人ほど。
9割は女性の方ですが、
「歴史や考古学が好き」
「海外旅行で見たことがある」etc.
ベリーダンスをご存じの方にもたくさん出会います。
皆さん普段は制服姿の職員さん達と接する事が多いので、私自身は逆に華やかなレッスン着や大きなキラキラブレスレットを身に着け、露出を控えながらも<非日常感>を演出しています。
ヘッドアクセサリー選びも「今日のお洋服にはこの色ぴったりですね!」等とお話ししながら、お買い物をするような感覚で選んでいただいています。

●笑顔も癒しもやりがいも…『ベリーダンス体操』は大好きな時間♪
―私は介護や福祉業界で働いた経験はありませんが、幼い頃から祖父母とそのお友達に囲まれて育ったこともあり<おじいちゃん&おばあちゃん>とお話することが大好きでした。
年齢や介護度はバラバラですが、
皆さんに共通しているのが
「いつまでも若くいたい」
「自分のことは自分でしたい」
という気持ち。
一方で「老いは進んでいく」
というジレンマも抱えていらっしゃいます。
…だから
ちょっとした変化に気づいたらまず褒める!
例えば
「最初より腕が上がるようになってますよ」
「キレイにできてたよ」etc.
自信がつく言葉をかけたりするよう心がけています。
―また「目線は斜め上!」
「妖艶な感じで」etc.
<ダンス>としてキチンと指導すると、皆さん思いのほか張りきって動いてくださるようです。
最初は
「覚えられないわ~」
「私はもう身体が動かないから」
と言っていた方が、
笑顔でリズムをとっていたりするのをみると本当に嬉しい!
参加された方から
「楽しみにしてたのよ」
「また来てね」
といった言葉を聞くと、毎回こちらも感謝の気持ちになります。
時には、私のことを外国人と思われているのか英語で話しかけられたり、裸足で踊っているのを見て「このスリッパ貸してあげるわ」と声をかけていただいたり…
優しくて思わずクスっとするような皆さんとのやり取りのなかで、逆に私のほうが癒されていることも多いんですよ。
●ボランティアではなく<仕事>として、全国の老人ホームに広めたい!
―今後は一緒に働く人材を育成しながら、あわせて導入先の老人ホームを増やすべく、営業活動にも励んでいます。
ただ営業の成果は…
正直言うと…苦戦中!!
継続して活動していくためには、一時的なボランティアではなく<仕事>として働ける環境を整えたいのですが、老人ホーム=一企業。年単位で予算が決まっているなかで、新規のアクティビティが参入するのはやはり難しいですね。また担当者の方がベリーダンスをご存じなかったり「露出が高いダンスはちょっと…」と門前払いされたりすることも多く、<ベリーダンス>自体の認知度を世の中に向けてお伝えする必要性も感じています。

―ご縁あって出会ったベリーダンス。
続けるほどにアートだけに留まらない素晴らしさを知り、今や自分でも思ってみなかった方向へと活動の幅が広がりました。
夢は、全国の老人ホームに
『ベリーダンス体操』が当たり前に導入されている環境を作ること。
まだまだハードルは高いですが、
ダンサー&インストラクターとして、
そして経営者として、
さまざまな方向から働きかけていきたいと考えています。












