Hanine
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バラディやシャービーを踊る時に着るバラディドレス(ガラベーヤ)。そのままシンプルに着てももちろん可愛いけど、自分らしく素敵に着こなしているダンサーさんとの違いって何だろう? エジプト直輸入のベリーダンスグッズ専門サイト『Hanine』を運営するHanine(ハニーン)さんから、バラディスタイルをアレンジする際に参考にしたい<エジプト庶民の生活や文化>を教えていただきました!
●もともとガラベーヤ=家事の時に羽織る<エプロン>!
―エジプト国立タンヌーラ舞踊団『Al Tannoura Troupe』のダンサーをしていた夫のもとに「嫁ぐ!」と決めた2008年から3年間、エジプト・カイロで暮らしていました。結婚式を挙げ、息子を出産したのもエジプト。義理の母や姉とは家族ぐるみの付き合いで、お互いの家をしょっちゅう行き来していました。
―ステージ用バラディドレスの原型は、
<ガラベーヤ>という身体を締め付けないゆったりしたシルエットのワンピース。これは日本でいうエプロンや割烹着に当たる作業着で、女性たちは着ている服が汚れないようガラベーヤをサッと羽織り、髪の毛をスカーフでさっとまとめてから炊事や洗濯をします。
家事の合間等に女性たちだけでおしゃべりがはじまると、決まって誰かが「ちょっと踊ってよ」と言い出します。すると別の誰かがテレビやYoutubeの音量をあげ、踊りに自信ある人(我が家では姪っ子がいつもこの役割でした^^)が頭のスカーフをヒップに付け替え、音楽に合わせて自慢のヒップワークを披露する…それがバラディダンスなんです。
こうした庶民の暮らしは
観光やフェスで訪れただけではなかなか目にするのが難しいのですが、2004年にリリースされ大ヒットしたナンシー・アジュラムの『Ah W Noss』のMVで見事に再現されているので、ご紹介しますね。
―ゆるっと巻いたスカーフに存在感のある揺れるピアスを合わせたり、動きやすい短めの着丈だったり、家事中でも構わずブレスレットをじゃらじゃら付けていたり…そんなところもいかにも<エジプト人女性>の着こなしという感じがします♪
●お守り、財産…身に着けるものには<意味>がある
―MVのナンシーは
金色のフープピアスをしていますが、
バラディドレスに合わせるアクセサリーはオリエンタル風のキラキラ系クリスタルではなく、こうした<ゴールド>がおススメです。
アラブでは「ステータス」の証として、
またいざという時に
現金に換えられる「財産」として、
男女&年代問わず<純金>のアクセサリーを身に着ける習慣があります。
実際に夫からの結婚指輪やプレゼントは純金製。娘が生まれた時には、義母から娘へ生誕祝いとして、純金のピアスを贈っていただきました。
さすがにステージで純金は難しいと思いますが、
純金に近い<濃い目のゴールド>を合わせているダンサーさんを見ると「バラディっぽくて素敵だな」と思います。
―アクセサリー関連でもう一つ、
アラブ社会では「邪視」という考え方があり、
妬みの眼差しが災いともたらすと考えられています。
この邪視を跳ね除けて
不運から身を護ってくれるとされるのが
<ハムサ>のモチーフ。
5本の指を広げた姿から「ファティマの手」とも呼ばれることもあります。
ートルコのお守り
「ナザール・ボンジュウ」も同じ意味があり、ダンサーさんの間でもとても人気があります。
ーどちらも、美しさゆえ邪視が集まりやすいとされる女性が身に着けるほか、
・可愛い子供へのプレゼント
・家のドア飾り
・車の飾りや交通安全ステッカーetc.
エジプトでは生活の至るところで目にするものなんですよ。
(後編へ続く)