MIHO
今回のコラムは光と影だけの世界! ダンサーアカウントとは別にインスタグラム(以下、インスタ)で撮影したモノクロ写真の投稿を続けるMIHO (ミホ)。カラフルな色で溢れるベリーダンスをあえて<モノクローム>で記録する理由を聞いたら、フュージョンという自由な枠組みのなかで独自のスタイルを追求する彼女が<アーティスト>として大事にしていることが見えてきました…♪
●4年前から、趣味で写真撮影をはじめました!
―写真を撮るようになったのは、
コロナ禍の社会情勢のなかで「提供するコンテンツの質をあげなければ」と一眼レフのデジカメを購入したのがきっかけ。でも踊りはやっぱりライブで見てほしいから、結局ダンス動画はまったく撮影していません(笑)。
愛機は『LUMIX DC-G100』。
30年来の友人で尊敬する写真家でもある中藤毅彦さん(@niepcetokyo)に相談して、機動性重視で選びました。
モノクロモードを選択すれば、ファインダーを覗いた瞬間から世界をモノクロで見ることができるところ、また難しい設定をしたり凄いレンズを購入したりせずとも、思うような写真を撮影できるところが扱いやすくて、とても気に入っています。
―今は大好きな娘や風景、自撮り、楽屋でのオフショット、ステージ…自分が「格好いい」「美しい」と思った瞬間をカメラにおさめ、気に入ったものをダンサーアカウントとは別のインスタアカウント(@raksmiho_monochrome)に投稿しています。後から投稿を見直すと、当時の自分の感じ方や価値観を<内観>することができ、ちょっとした日記替わりにもなっています。
―今はビジネスアカウントも多くなりましたが、インスタって元々は写真を通して各自のピュアな感性を共有できるプラットフォーム。
「私はこういうのがいいと思うんだけど、みんなどう思う?」とフォロワーに問いかけるような気持ちで、写真を投稿しています。
これはステージで
踊りながら
お客さんと対話していく感覚とも良く似ていて…!
ベリーダンスも写真も、
表現の幅が広いからこそ、自分のなかの<美意識>を持って、そこに投影することが大事。そして受け手側とのセッションを通してお互いを受容することもできる、極上のアートだと感じています。
●光と影だけ!<モノクロ>にこだわる理由
―モノクロで撮影するのは、
純粋にそれが芸術的で格好いいと思うから。
ベリーダンスのベールやスカート、シーシャの煙…こうした透け感あるものは、モノクロだとより強調されてとてもキレイだし、人物を撮る際も、カラーよりもモノクロのほうが自分が「いいな」と思った瞬間に近いものが撮影できるように思います。
―もう一つ、
<色>というのはすごく感覚的なもの。
人によって見え方や捉え方が異なるのではないかと不安を感じることがあって…モノクロ=<光と影>だけの世界のほうが、私の場合は疑問や迷いを感じることがない。自分がいいなと思ったものを、同じような形で「他人と共有できる」という安心感があるんです。
●自分自身がアート!自身を内観できる<自撮り>のススメ
―いまプロフィール写真はすべて
自分で自撮りしたものを使っています。
格好いいと思うシーンや
構図、ポーズを考えて、
撮影した画をチェックして
要らないものが映りこんでいないか確認して、
三脚とタイマーをセットして
その10秒の間に
イメージ通りのポーズをとる…
撮影するのもされるのも
自分自身だから、
「もっとこうしたい!」が
次々と浮かんできては撮り直して…
時には2時間以上撮影していることも。
真剣に自撮りをすると、
自分自身を
<アート>として捉えることができるようになります。
―生徒たちと一緒に
<自撮り会>を企画したこともありますよ。
彼女たちのなかには
長く踊りを続けているのに
「写真が苦手」
「アートってよく分からない」
という人も意外と多くて…
<自撮り>は
自分なりの美意識を、その一枚に詰め込む作業。
私の企画が、
自分の姿や心を見つめたり、
お互いの感じ方をじっくり話してみたりする良い機会になっていたら嬉しいですね。
―今は美アプリもありますが…私は使いません!
でもこれ、
娘世代の感覚からすると、
アプリ加工しない写真を
SNSに載せているのは
「ちょっぴり変わった人」なのだそう(笑)。
誰しも「歳をとる」と考えるか、
アプリ課金するだけで
「キレイになれるのに」
と考えるか…
美意識や価値観は人それぞれ。
これはこれでまた面白いなと思います。