ZIZI
momoi
https://www.instagram.com/momoi_orientaldance
コンペティション(以下、コンペ)の審査員たちはどんなことを感じ、どんなことを考えているんだろう? 後半はコンペが日本のベリーダンスにもたらした影響について。さまざまなコンペで審査を担当するZIZI(ジジ)とmomoi(モモイ)のお二人にご意見を伺ったら、そこには思わぬ<副産物>的な効果も生まれているようです…!
●競技化に突き進む?…カルチャー置き去りへの懸念
元々ある
カルチャーに根付いた
ベリーダンスとは別に、
最近は
スポーツ化や競技化された
「コンペのベリーダンス」
というものが
存在しているように感じています。
とくにキッズ部門については、
楽しそうに踊っている子供たちに
勝ち負けの価値観を
与え過ぎないように。
指導者や親には、
本来のベリーダンスの姿を
しっかり伝えてほしいと
願っています。
―【ZIZI】
そもそも私は子供が
大人と同じ動きや衣装で踊ることには反対なんです。
一度コンペで
子供が太ももを露わにした衣装を
着ているのを見て、
親への叱責を
ジャッジシートに書いたこともあります。
いくら日本開催のコンペといっても、
子供がそうした姿で
人前に出るというのは
本国ではありえないこと。
親御さんのなかには
中東文化に詳しくない方も
いるかと思うので、
そこは主催者や指導者が
責任をもって伝えるべきですよね。
まわりの大人には、
子供たちをきちんと「守って」あげてほしいと思います。
カルチャーとしての側面が
二の次になるのなら、
何も<ベリーダンス>である必要はないですよね。
子供たちにとっては
親と指導者がすべて。
彼らのなかに
<ベリーダンス=得点を争う競技>
という認識ができてしまったら、
私たちジャッジとは
価値観の共有が出来ずに
溝が生まれてしまいかねません。
次々と技を繰り出し、
「失敗しない」
「私は強い」
と相手を納得させるような
踊りの先に何が待っているのか…
子どもたちのほうから
「もっと文化を知りたい」
「エジプトに行ってみよう」
と言い出すような指導を
期待しています。
―【ZIZI】
まったく同感です!
たとえば
「アラビア語には、かわいいや愛しているという言葉がたくさんあるんだよ」とか「日本とは時間の捉え方が全然違うんだよ」とか…
そうした
ベリーダンスでしか
体験できないことを通じて、
異文化や多様な価値観を知る機会になるのなら、子供の教育としては<アリ>かもしれません。
でも単なる
<体操>や<スポーツ>と
同じ感覚であれば、、
わざわざアラビア語の曲で踊る必要はありませんよね。
●長い夜を楽しむため…ベリーダンスの本質的な魅力を忘れずに
そもそも現地では
昼間は暑いから、
夜涼しくなってから
お出かけして…
ベリーダンスって、
「長い夜をゆったり楽しむ」
ためのもの。
だから1曲も長いし、
1人のダンサーが
1時間近く踊ることは
当たり前…
効率や時短がもてはやされる
今の日本とは、
時間の流れ方が
根本的に違いますよね。
コンペのために曲を短縮し、
そこにテクニックを詰め込んだ踊りを
<審査>するというのも
本来は本末転倒な話。
もちろん参加者側に
非はありませんが、
やはり審査員としては
何かしらのフォローアップも
必要だと考えています。
―【ZIZI】
長時間人を楽しませるのは
容易なことではないので、
踊っていくなかでどうしても
<飾り>の部分は剥がれ落ち、
素の部分も露わになります。
その過程でダンサーさんから
いろんな圧を受けたり、
じょじょに人格が剝き出しになるのを味わったり…
そんなところもまた、
ベリーダンスにしかない
面白くて素晴らしい魅力だと私は感じています。
私たちがベリーダンスを始めた
2000年代前半は、
日本でも1人のダンサーが
30~40分踊るレストランショーが
一般的でした。
―【ZIZI】
でもキャリア10年未満くらいだと、
ベリーダンスが
<長い時間踊られる>ものだと
知らない人たちもいますね。
思うに…
これは私たち上の世代の責任。
昔は1人のダンサーが
長時間<場>を張っていたのに、
いつの間にか「やらなくなってしまった」。パフォーマンスや指導を通じて、そうした価値観を「伝えてこなかった」。
だから
後輩たちが「知らない」のも当然のこと。
コンペのステージで
全力で自己主張するダンサーさんを見るたび、心のなかで申し訳なく思っています・・。
●大事なのは<結果>ではなく…!コンペが持つ様々な側面
以前、
予選のフィードバックシートに
本番に向けての改善アドバイスを
具体的に書いたら、
参加者の方から
「レッスンを受けているみたい」
と大変喜んでいただけました。
コンペに参加する方は
皆さん、
真面目で一生懸命ですよね。
でも…真面目な踊りって
正直つまんない(爆)!!!
フィードバックも
私ひとりの意見でしかないのに
「全部直しました!
私は受賞に近づいたでしょうか?」
という勢いで
丸ごと受け取られて
戸惑いを感じることも
しばしばあります。
―【ZIZI】
「こんなこと言われちゃったよ」
って笑いながら、
酒の肴にでもしてもらえたら十分ですよね(笑)。
私もフィードバックは
時間の許す限り
丁寧に書くようにしていますが、
実はそれは巡り巡って
<自分のため>になるから。
思わずチップを挟みたくなるような
ダンサーに出会う確率をあげるため…
将来に向けての
<種まき>だと思うと、
コメントを書く手が止まらなくなってしまうんです。
九州コンペに四国コンペ…
ここ数年、私は地域コンペの立ち上げに
関わっていますが、
コンペ文化が浸透していないエリアでは
コンペ=人と人との<交流の場>。
「まずは集まってみよう」
「皆で楽しもう」
とお祭りみたいな
楽しい雰囲気のなかで、
スタジオの枠を超えた交流が
自然と生まれる…
コンペは地域のコミュニティ形成に
役立っているように感じます。
―【ZIZI】
素晴らしいことですね!
自分自身が
コンペに参加したときは
<名刺配り>
のような感覚でした。
自己紹介を兼ねて
マニアックだけど大好きな曲を
何曲か続けて踊ったところ、
その後、尊敬していた方や自分と感性が合う方から仕事のオファーをいただけるようになり、とても嬉しかったです♪
コンペで受賞するのと、
ダンサーとして
引く手あまたになるかどうかは
また別の話ですよね。
よほど圧倒的でない限り…
コンペの<結果>は
重要ではないと
私も思います。
―【ZIZI】
そもそもプロのダンサーを目指すなら、「お客さんに喜んでいただく」ためには他にもっとやることがあるはず。またアマチュアのダンサーさんであれば、結果云々よりももっと<踊りそのもの>を楽しんでほしいと思います。
時々コンペの後、
悔し泣きしたり
肩を落として帰ったりする
参加者の方々を見かけますが、
受賞できなかったからといって、そんなに傷つくことはないんですよ。
自分の人生を決めるのは
コンペではなく
<自分自身>なんですから!
@一楽ichigaku













