FaRida
日本では「ベリーダンスの基礎」と位置づけられることも多いエジプトのフォークロアダンス。でも地域の祭りから大使館系イベントまで幅広い出演歴のあるFaRida(ファリーダ)は、それ以上の<ポテンシャル>を感じているようで…!?
●知らなくてもベリーダンスは踊れた、けど…
-フォークロアにきちんと向き合うようになったのは、ベリーダンスをはじめて10年近くたってから。海外コンペのフォークロア部門で振付をそのまま踊って優勝できたものの、自分があまりに何も知らないことに気付いたんです。
その後定期的にエジプトを訪れるようになり、ルブナからエジプシャンスタイルを、彼女の弟でありカウメイヤ国立舞踊団総監督のオサマからはエジプトのフォークロアをゼロから学びました。
ランダやカメリア、サハルサマーラ…エジプトの大スターたちは皆フォークロアの経験があります。 ルブナからはいつも「フィーリング!」「血で踊れ」と言われますが、エジプト人と同じものを食べたり同じ匂いを嗅いだり、エジプトの踊りのベースにあるフォークロアを知ってその土地を実際に訪れたりするなかで、「血で踊る」という言葉の意味も少しずつ理解できるようになってきたように思います。シェヘラザードもアメリカではカウメイヤ出身の先生に習っていたそうですよ。
●考古学オタクの血が騒ぐ!土着的なカウメイヤのステージ
-はじめてカウメイヤのステージを見たのも、定期的にエジプトに通うようになってから。
―カウメイヤとは、アラビア語でNationalという意味。
オサマによれば、カウメイヤでは演目毎にそのフォークロアダンスが踊られている地域の舞踊団から専門の振付師やメインダンサーを招いているそうです。だから舞踊団としての大スターはいない半面、演目による違いが明確でエジプト人ではない自分から見てもとても分かりやすかった!
あと私はもともとエジプトの考古学が好きでベリーダンスをはじめたのですが、カウメイヤのステージに出てきた登場人物たちは、歴史から入った自分もまったく違和感を感じることなく楽しむことができました。
―オサマの案内で、カイロのバルーンシアター内にあるカウメイヤ&レダ舞踊団の練習を見学させてもらったこともあります。
このふたつはエジプトの二大民族舞踊団とされており何かと比較されることも多いですが、稽古場は通路を挟んで隣同士だし、先生や団員同士のやり取りも多くてアットホームな雰囲気。ただレダの稽古場には創設者であるマフムードレダやファリーダ・ファフミーらのタペストリーが飾ってあり華やかなのに対し、カウメイヤは公共の体育館のようにサッパリしていたのも、それぞれのカラーの違いを感じて面白かったです。
●在日アラブ人と踊りを通じて交流!
―フォークロアを披露するようになってから、大使館系のイベントなどで日本に住んでいるアラブ諸国の皆さんと交流する機会がとても増えました。
やはり遠い異国の日本で自分たちの国の踊りや音楽に触れられるのが嬉しいようで
「涙が出た!」
「一緒に踊っちゃったわ!」
「次は私たちの国の曲で踊ってくれないかしら」とありがたい言葉もたくさん。踊りを通して文化交流の一端を担えるのがとても嬉しいです。
●明るく楽しい演目は老若男女問わず大人気!
―一般のお客さまが多いベリーダンスのステージでも、フォークロア演目は大人気! 私達のチームではとっておきのイベント時には<馬>がサイディを踊って盛り上げます。実は「中の人」は汗だくでけっこう大変なのですが(笑)、お子さんたちの目がキラキラ輝く様子を観るとやってよかったといつも思います。
-現在フォークロアはベリーダンスの生徒に教えるほか、地元の公民館で「フォークロアサークル」を主宰してます。地域のお祭りやイベントで踊る機会が多いのですが、やはり一般のお客さまの食いつきはバツグン! ピラミッドやエジプトの遺跡を扱うテレビ番組って日本では昔から人気があるので、MCではエジプトの歴史と絡めて演目を紹介するとより興味深く見ていただけるようです。
何よりカラフルで布をたっぷり使ったフォークロアの衣装は太陽の下でとても映える! ステージを見て「楽しそう」「衣装が可愛い」と親子で入会される方も多いんですよ。