山本美帆
https://www.instagram.com/miho_bellydance
2025年11月、第9回関西ベリーダンスコンペティション(以下、関西コンペ)の「オリエンタルプロソロ クイーン部門」で見事優勝を勝ち取った山本美帆(ヤマモトミホ)。コンペ挑戦は5年ぶりという彼女、ダンサーとして指導者として充実した日々のなかで、いま一度コンペへの挑戦を決意したのはなぜ?その過程での気付きや変化についても教えていただきました!
●自分の気持ちに正直に…挑戦を続ける生徒たちに刺激されて
―今回5年ぶりに関西コンペに出場し、念願の優勝を果たすことができました!

―第二子を出産してからの数年間は、国内外で本当にたくさんのコンペに参加しました。2020年11月を最後に「そろそろコンペは卒業!」と考えていましたが、果敢にコンペに挑戦する生徒たちを一番近くで見ていたら、彼女たちの輝きが羨ましくなってしまって。
とはいえプロダンサーや指導者としての立場もあるし、今さら恥もかきたくないし…この2年くらいは自分のなかで葛藤がありました。でも『24時間テレビ』でチャリティーランナーの横山裕さんはじめ様々なことにチャレンジする人たちを観ていたら、そんなちっぽけなプライドなんてどうでもよくなった!
そもそも<芸事>というのは奥深くて時間がかかるもの。私はまだまだ上手くなりたいし一生成長していきたい…そう考えられるようになったんです。
―「もう一度頑張ろう」と思った背景には、クラシックソングへの苦手意識もあります。
「どんな曲でも踊れるようになる」「苦手意識を克服する」ために選んだ応募先は、関西コンペ一択! 課題曲はクラシックソングのみ、それも踊る曲がステージに出る直前のくじ引きで決まる<プロ部門のファイナルステージ>に挑戦することが、自分の成長につながると思ったからです。
いざ開き直ったら、久しぶりのビデオ撮りも〆切直前に追い込まれることすらも本当に楽しくて! やっぱりこれが本当に自分がやりたかったことなのだと再認識しました。
●基礎の動きを大切に!クラシックソング克服に向けて取り組んだこと
―関西コンペのプロ部門のルールは本当にスリリング!
候補となる課題曲は本選出場が決定した時点で知らされてはいるのですが、有名曲でもはじめて聴くようなパートだったり落ち着いた難解な曲調だったり…毎回ダンサーがコンペ予選ではおよそ選ばないようなものが指定されます。
実際、私がファイナルで引いた『Amal Hayati』2章も、聴いたことはあったものの踊ったのは今回がはじめて。第一印象は飾り気がなくてごまかしがきかない…正直言うと、できれば避けたかった一曲でした。

―約3週間の準備期間で、何をどのように準備して臨むかはダンサーそれぞれ。ただ踊ったことがないクラシックソング4曲×4分半に挑むのですから、付け焼刃なコンペ対策は通用しません。結果としてその人自身が問われる、そんなところも挑戦し甲斐を感じています。
私は課題曲すべてに振付を作りましたが、
時間&気持ち的に、そして体力的にも…以前よりは余裕をもって取り組むことができました。
おそらくこれはコンペに出場していなかった期間に積んだ経験値のおかげ。レッスンで扱うクラシックソングの振付を作ったり、過去のコンペで「なるほど」と思った審査員の先生方のコメントを何度となく反芻しては自分のなかに落とし込んだり…ちょっとした日々の積み重ねを自分の<成長>として気付く、良い機会にもなりました。
●シンプルイズベスト!改めて気付いたベリーダンスならではの魅力
―これまで
私はショーのパフォーマンスだと
「爪痕を残そう」
「大胆な振付でキャラを出そう」
とついつい派手な動きを取り入れがちでした。
でも今回は
久しぶりのコンペということもあり、
思いきり<ベリーダンスらしさ>を味わいたかった!
そこで意識したのは
スネークアーム、
フィギュアエイト、
マイヤ、
オミ…
そうしたベリーダンス本来の基礎の動きを「どう魅せるか」。
強く・クリアに・丁寧に…
ひとつひとつの動きの完成度を上げることに注力しました。

―ベリーダンスって
もっと<シンプル>でよかったんだ!
基礎をつなぎ合わせていけばこんな素敵になるんだ!
優勝できたことはもちろんですが、
身体を大事に扱うことで
ベリーダンスの美しさを伝えられたことが何より嬉しかったです。
結果的に振付はシンプルになりましたが、
本選を観戦していた友人からは
「むしろ“山本美帆節”が出ていた」
というありがたいコメントも頂きました(笑)。
抑えることで
個性って勝手に溢れ出ちゃうんだ!
そんなベリーダンスならではの魅力に気付くことができたのも、今回の再挑戦で得た収穫のひとつです♪
●基礎+人間性=個性! 私は一生上手くなり続けたい
―今後はもう派手な動きに頼ったりはしません!
とことん基礎にストイックにシンプルに…私はベリーダンスそのものの動きで勝負していきたいと考えています。
思えば私がベリーダンスをはじめた頃、最初に惹かれたのがソニア。
個性的なダンサーが集まるベリーダンススーパースターズのなかにあって、物静かだけど基礎の動きがひときわ美しくて! 2000年代初頭、日本のベリーダンスの<黄金時代>を牽引した彼女のように…私もベリーダンスが持つ動きの美しさを伝えることで、ベリーダンスのファンをたくさん増やしていきたい。願わくば、多くの人がベリーダンスに憧れてスポーツクラブやスタジオへ殺到し、ショーを見るためホールに大行列ができたあの時代の熱気を再び取り戻したいですね。
―…本選当日は、
出場者の顔ぶれが以前とはすっかり変わっていて5年の歳月を感じました。
もうひとつ驚いたのが、
日本人ダンサーのスキルの高さ!
楽屋で練習している様子を見たら、どんな動きも<Withシミー>は当たり前。同じ出場者として「これからこの人たちと競うんだ」と思ったら、正直怖気づいてしまったほどです。

―ただテクニック=個性には比例しないし、どんなにヒップワークが上手でもそれだけで人の心は惹きつけることはできません。
丁寧な基礎の上に
人間性や人生の経験値が絡み合って…
だからダンスって難しい!
やはり芸事は長い時間がかかるもの。
やってもやってもゴールが見えませんが、私はまだまだ上手くなりたいし上手くなれるはず…そう思います♪













