ZIZI
momoi
https://www.instagram.com/momoi_orientaldance
今回は当コラム最長の3部作!海外はもちろん国内各地でも毎月のように開催されるコンペティション(以下、コンペ)。さまざまなコンペで審査を担当するZIZI(ジジ)とmomoi(モモイ)のお二人に審査する際に大事にしていることを伺ったら、コンペ隆盛の今ならではのさまざまな課題もみえてきました…。
@apache_photography_
●「祝いの席で雇いたいかどうか?」…審査の視点はただひとつ(ZIZI)
―【ZIZI】
コンペといえど、
ベリーダンスの<本質>を見失ってはいけないと考えています。
ベリーダンサーというのは、
本来人を「祝う」存在。
だから審査をする際は、
自分がもし
●ナイトクラブのオーナーだったら?
●会社の周年パーティー担当者だったら?
●親戚から結婚パーティーの相談をされたら?
その人を
「ダンサーとして雇いたいか/派遣したいか」
という視点でみています。
どんなにテクニックを駆使して上手に踊れたとしても、「人を祝えるか?」となるとまた別の話。やはりベリーダンサーたるもの、自分の魅せ方や持ち味を存分に分かった上での<チャーミングさ>やリラックスした上での<余裕>や<遊び心>がないと、晴れの場でお客さまを楽しませたりもてなすことはできないと思うんです。
●雰囲気>技術!もっとバラディに根差した表現を(momoi)
私は審査していると、
ついその人が持つ<雰囲気>に
目がいってしまいますね。
具体的にはダラァとか余裕とか…
以前とあるコンペで、
ナチュラルに恥じらいながら
踊るダンサーさんを
拝見したときは、
審査しながら
「可愛いなぁ…」
とドキドキしてしまいました。
逆にテクニックについては、
審査項目にはあるものの
さほど重要視していません。
人により目指す表現は違うし、
マスターティーチャーたちに
質問しても人によって
説明が異なることもしばしば。
ベリーダンスのテクニックについては
「こうであるべき」
ひとつの正解がないと考えているからです。
とはいえ、
ステップや他のダンスの
テクニックを使って
ガンガン踊っている
ダンサーさんを見ると、
「上手いけど…
バラディは踊れるのかなぁ」
と疑問に感じてしまいます。
メジャンセといえど、
エジプトの
ベリーダンスのベースには
やはり<バラディ>があります。
ナチュラルな動きのなかで
お尻や肩の表現を
たくさん使ったり…
こうしたバラディ的な要素を
をすっ飛ばして
身体能力やテクニック優位で
踊ってしまうと、
それはもうベリーダンスでは
なくなってしまいますよね。
―【ZIZI】
コンペでは、
びっくりするくらい
強くて速い動きのダンサーさんに出会うことがありますよね。
でもお客さまからしてみると、
逞しくて助けが必要なさそうなタイプよりも、少し頼りなくて隙が見え隠れするくらいの愛らしいダンサーのほうが応援したくなったりするもの。
そうかと思えば
逆にそっけなく振る舞うことで
客の興味を掻き立てたり…
本国にはそんなダンサーがたくさんいますよ(笑)。
彼女たちは
皆あざとくてしたたかだけど、
それを裏付ける
知識やセンス、アイディアの持ち主。
自分が店のオーナーだったら
そんな人心掌握術に
優れたダンサーを雇いたい!
だからコンペでも、
審査員のことをつまらなそうに見てくるくらいのダンサーさんに高い評価をつけます。
●3分では足りない!? <審査基準>や<制限時間>に感じる違和感
ただ、こうした部分って、
点数や順位には
反映しづらいところが
ありますよね。
一般にコンペの審査というのは
表現
テクニック
ビジュアル
音楽性
といった項目毎に
得点をつけていくことが
多いのですが、
私が重視する<雰囲気>は
加点するとしたら
<表現>のごく一部…
やはりテクニックを駆使した
踊りのほうが
結果に結びつきやすいように思います。
―【ZIZI】
私たちが推すダンサーが賞を取ると、世間は納得しないかもしれませんね(笑)。
「雇いたいかどうか」
を判断するには、
私は3分前後のコンペでは
不十分だと感じています。
メジャンセで
得意なパートだけを詰め込めば、
3分の制限時間なんて
あっという間!
でもそれでは品行方正な
<プリンセス>の面しか見えず、
例えば
・タクスィームは踊れるか?
・他にどんな曲が踊れるのか?
・選曲のセンスは?
・長時間人をもてなすための
セットが組めるか?
といったところの判断まではできません。
少なくとも5分、
できることなら10~20分は観たい!
何曲かを組み合わせて
1人がたっぷり踊る、
玄人向けのコンペがあってもいいのではないでしょうか。
3分=「短い」は同感です!
コンペをビジネスとして
成り立たせるためには、
参加者の<数>が大事という
主催者側の事情も
もちろん理解できますが…
<3分>では
曲の良さを残したまま
短く編集するにも
限界がありますよね。
―【ZIZI】
残念ながら、
今はエジプトのミュージシャンも
「短い曲じゃないと売れない」
という風潮になってしまっています。
タクスィームが
たった10秒しかないメジャンセとか…
そんな一節だけでダンサーがいかにも気持ちを入れて踊っている姿にもまた、私は強い違和感を感じます。
音楽も、踊り方も…
カルチャーに根差した
ベリーダンスとは別に、
「コンペのベリーダンス」
というものが
今は存在してしますよね。
「勝ちたい」
「認められたい」
という目的や承認要求が
先にくると、
どうしても
<コンペ対策>
された踊りになってしまいがち。
でも私は<踊り>というのは、
本来自分の奥底から
湧き上がってくるものだと
思うんです。
音楽や踊りが好きで、
研究して
隠しきれないまでになって…
そんな<感性>から生まれてくる
自由な表現こそが、
ベリーダンスの魅力であり
面白いところ。
コンペとはいえ、
やはり私はこうした部分を観たいし、
審査員として
しっかり評価したいと考えています。
~後編に続く~













